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病院経営はどう変わるのか アメリカにおけるDRG/PPS実例



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960年代に、注射器、不織布などに始まった、単回使用器材single use devices(SUDs)は、その種類が急速に拡大し、医療技術と医療安全の向上に寄与してきた。然し一方で、経済的理由と資源保護、環境保護の観点から、SUDsの再処理、再使用が程度の差こそあれ、各国各施設で実際におこなわれるようになり、その機能性と無菌性との安全面に関する各国の規制が話題となっている。アメリカ合衆国では、2000年8月2日に、Food and Drug Administration(FDA)が厳しいガイダンスを公にし、安全性の確保を、最初の市販製品と同一水準に規制した。その結果、第三再処理業者third party reprocessor(メーカーでない病院外の滅菌業者)が、再使用品目および再使用回数に自主規制を加えながら、再処理SUDsを平均的には初期価格の約半額で提供するという市場が成り立ってきている。 日本における輸入SUDsは、生産国の価格に比べるとかなり高い価格が設定されており、医療費を圧迫する大きな原因となっている。それでも、新医療技術に不可欠な器材は、良質な患者サービスを提供する為には使わざるを得ないのが現状である。特定保健医療材料として保険点数の認められている器材は病院の負担にはならないが、それら輸入高額器材の増加も全国的医療費にとっては影響が多大である。これらの価格を抑える行政的政策が不可欠である。

本における所謂“まるめ”の制度、DRG/PPS(Diagnosis Related Groups/Prospective Payment System診療群別包括支払い方式)は、2003年4月から特定機能病院に導入された1日の入院治療費を定額制にする方式で、Diagnosis Procedure Combination(診断群分類別包括評価:DPC)と呼ばれる。民間病院での試行も含めると2004年時点で144病院が導入しており、診療分が収入になる「出来高払い」と違って、むだな投薬や検査が減ると期待されている。しかし一方で「粗診粗療」を招くとの指摘もある。

 現段階でのDPCは、病院にとって比較的有利な価格設定になっているが、保険点数設定の歴史に見られるとおり、次第に締め付けが厳しくなり、病院経営を圧迫してくることは間違いない。その結果、「粗診粗療」を招来することは絶対に避けねばならず、厳しい条件下でも、良質な医療を提供して、患者サービスの向上を図らなければならない。

こに、SUDsに対する工夫、つまり、いかに安価で良質な器材を得るかの工夫が必要であり、SUDsを用いることによる、経済効果が期待できるようにならなければ成らない。1994年に初めて東京大学医学部附属病院(東大病院)で導入した創処置(包交)セットは、その経済的有効性が評価され、関東病院他多くの病院で導入されるようになった。然し、施設独自の注文を受け入れたオーダーメイドのSUDsであれば、必然的に値段は高くなる。東大病院の手術用ガウンは、昔から付紐の向きが逆になっていた。

 手術器械セットも同様である。東大病院においては、かつて219セットあって、日々器械棚から器械を選んでセット作りするという作業が繰り返されていた。有鉤鉗子が第一外科と第二外科では異なり、同じ消化器外科セットにも大きな差異があった。1987年12月、手術部が新築されたのを契機にこれらを統一し、基本セット数を54に激減することに成功し、フィルター/パッキング付きのコンテナー採用(セットを崩さずに回転)を可能とした。この基本セット数は、その後もごく僅かの変動しか見ていない。不足分は単品を主とした補助セットでまかなっている。

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PCの時代を迎え、患者サービスを低下させることなく削減できる経費は、積極的に削減していかなくては良質の医療を提供する病院の経済は成り立たなくなる。そのための意識改革が必要であり、オーダーメイドを極力避け、スーパーマーケット的供給が可能な器材は、それらを最大限に活用すべきである。スーパーマーケットが、販売ネットを組んで安価で良質なものを供給可能にしているように、医療産業においてもスーパーマーケット時代が目前にある。高級ブティックも、それなりの需要があろうが、オーダーメイドや高級品のみで生活していける人はごく限られている。病院も、全く同様であろう。良質で安価な、レディーメイド医用器材、手術器械セットなどが活用できるようになることが切望される。手術器械セットも、複数の病院に対して共通化したセットを1つのセンターで滅菌供給する連合王国(英国)のようなシステムが受け入れられる時代が待たれる。使用者側も、思い切った意識改革がないと取り残されてしまう。病院感染対策が、厳しい対策を追及しているうちに、いろいろなエビデンスが明らかになり、今では如何に経済性を加味して、エビデンスを伴う対策のみ選択採用、遵守していくかが問われる時代となった。医療技術全般に関しても、同様なことがいえ、質と経済効果とを両立させていかなければならないのが21世紀の医療である。
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